準備(Materials & methods)について

準備(Materials & methods)は、他に材料と方法などの呼び方もある。
準備で重要なのは、本論で示す結果について読者が一読して理解できる
ように、必要となる前提知識などを具体的かつ明確に記すことである。

すなわち、序論で示した問題点について、どのようにして研究したのか、
対象に関して共有が必須となる前提知識や具体的な方法と共に、材料や
手順など「読者が自身で同じ研究を反復できる」ように、十分な情報を
提示しておくことが目的となる。

また、次の本論で示す結果や結論に向けて論理を積み重ねていく過程で、
読者に疑問や反論をさし挟む余地を残さない為の大切な土台でもある。
以下に、本項の記載におけるポイントを挙げておく。

• 本論を理解するにあたり事前に必須となる対象の情報を明示する。
• 研究の材料と方法、手順を、可能な限り「時系列」で説明する。
• 他人の研究成果や見解と、自身の提案・方法とは明確に区別する。
• 使用した器具や装置の名称も、全て明らかにする。
• 既存の方法を使用した場合は、その名前と論文を引用する。
• 既存の方法を修正した場合は、引用と共に修正点も詳述する。
• 新しい方法であれば、詳細に説明し、公開性をもたせる。
• 一人称は使わない。

一貫して「再現性」を重視している事が分かると思うが、これは読者が
自身の研究で応用したり、同研究を反復したり出来るようにすると共に、
「手続きの客観性」を保証することを意味する。
これにより 、序論から結論までを首尾一貫した「論理の鎖」で繋ぐのが
容易になると覚えておこう。